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こんにちは。兵庫県宝塚市にある歯医者「はら歯科クリニック」です。
自分では気付きにくい歯ぎしりは、セラミックやご自身の歯に悪影響を与えます。せっかくセラミック治療を受けても、歯ぎしり癖があると長持ちしないこともあるのです。
そのため、歯ぎしりの原因や対処法について知っておくとよいでしょう。
この記事では、歯ぎしりがセラミック治療後の歯に及ぼす影響と5つの対処法について解説します。
寝ている間や集中している時などに、上下の歯を擦り合わせることを歯ぎしりといいます。歯ぎしりは無意識で行うものなので、人に指摘されて初めて気づくことも珍しくありません。
歯ぎしりには、以下の3種類があります。
歯ぎしり癖で一番多いのが、上下の歯を強く噛みしめ左右に擦り合わせるグラインディングです。ギリギリと音が鳴るため、他人にも気づかれやすい歯ぎしりといえます。
上下の歯を強く噛みながら左右に歯を揺さぶるため、歯にダメージを与えやすいです。
上下の歯を強く噛みしめるクレンチングは、食いしばりや噛みしめなどとも呼ばれます。グラインディングとは違って音が出にくいため、他人に指摘されづらく自覚しにくいでしょう。
通常であれば、1日の中で上下の歯が噛み合うのは約5~20分といわれています。無意識でクレンチングを行っていると、通常よりも噛み合う時間が長くなって上下の歯に過度な負担がかかるため、歯にダメージを与えやすいです。
タッピングとは、上下の歯をカチカチと小刻みに噛み合わせる歯ぎしりのことです。他の歯ぎしりに比べると、タッピングを習慣的に行っている方は少ないといわれています。
歯ぎしりが起こるメカニズムは明確にはなっていないものの、口腔内の環境や生活習慣によって誘発されると考えられています。歯ぎしりが起こる原因は、以下の4つです。
歯ぎしりの主な原因は、ストレスや疲労とされています。仕事や日常生活の中のストレスや不安、憂鬱な気持ちを、歯ぎしりによって無意識に解消しているといわれています。
そのため、仕事が忙しい時や体に疲れが溜まっている時、人間関係などに不安がある時は、歯ぎしりをしやすいでしょう。
噛み合わせや歯並びが悪いと、上下の歯を噛み合わせた時に均等に歯が当たりません。そのため、歯ぎしりを誘発するといわれています。
噛み合わせが悪くなる原因は加齢や歯周病などがあります。特定の歯の噛み合わせが悪い場合や補綴物の高さが合っていない場合、噛み合わせの調整が必要になるでしょう。
歯ぎしりは寝ている間にすることが多いですが、特に睡眠が浅い時にしやすいといわれています。枕やマットレスが体に合っていない、アルコールを頻繁に摂取する、横向きやうつ伏せで寝る癖があるなどの場合、睡眠の質が悪くなりやすいので歯ぎしりを誘発しやすいでしょう。
歯ぎしりには3つの種類があると先述しましたが、寝ている時にする歯ぎしりは睡眠時ブラキシズム、日中行う歯ぎしりは覚醒時ブラキシズムと呼ばれます。
睡眠時ブラキシズムは無意識に行いますが、覚醒時ブラキシズムは勉強や仕事などで集中している時に行われます。睡眠時ブラキシズムも覚醒時ブラキシズムも、自覚なく行っているので意識的に改善するのは難しいといえるでしょう。
お食事でかかる歯への負担は40~60㎏といわれていますが、歯ぎしりによってかかる負担は普段の5倍以上といわれています。そのため、日常的に歯ぎしりを行っているとセラミックにさまざまな影響を及ぼします。
歯ぎしりによってセラミックに強い力がかかると、歯とセラミックを接着する接着剤に隙間ができ、セラミックが外れることがあります。特に、左右に歯を揺さぶるグラインディングをしている方は、セラミックが外れやすいです。
セラミックは陶器素材で見た目が美しいものの、強い衝撃を受けると破損しやすいことがデメリットです。歯ぎしりによってセラミックに強い力がかかり続けると、セラミックが外れるだけでなく、セラミックが欠けたり割れたりすることがあります。
歯ぎしりはセラミックの寿命を縮める要因になるので、セラミック治療後は歯ぎしりを改善することが大切です。
歯ぎしりはセラミックだけでなく、自分の歯にも過大な負担をかけます。ここでは、歯ぎしりによる自分の歯への影響を解説します。
歯は加齢などで徐々に擦り減りますが、歯ぎしりによって負担がかかると、歯の擦り減りを悪化させます。歯のエナメル質がすり減ると、知覚過敏を引き起こしたり虫歯になりやすくなったりすることもあります。
また、歯の擦り減りによって噛み合わせが悪化すると、さらに歯ぎしりしやすくなるでしょう。
歯ぎしりによって強い負荷がかかり続けると、ご自身の歯が割れることがあります。歯の割れ方によっては歯を残すことが難しくなり、抜歯せざるを得ないこともあるでしょう。
歯ぎしりで歯に強い力がかかると、歯を支える歯茎や顎の骨にも負担がかかります。歯周病の進行を早めることにつながるケースもあるでしょう。
歯ぎしりをすると顎関節にも強い力がかかるため、顎関節症を発症することがあります。顎関節症を発症すると、口が開きにくい、痛みが出る、口の開閉時に異音がするなどの症状が出ます。
また、お口周りだけでなく、頭痛や肩こり、めまいなど、全身に影響も出ることがあります。
歯ぎしりからセラミックを守るためには、噛み合わせや生活習慣を改善することが大切です。ここでは、セラミック治療をした歯を歯ぎしりから守る5つの方法を解説します。
歯ぎしりを意識的に改善するのは難しいため、まずはナイトガードで対処するとよいでしょう。ナイトガードとは、就寝中に使用するマウスピースのことです。
ナイトガードを使用すれば上下の歯にかかる負担を軽減できるため、セラミックだけでなくご自身の歯を守ることにもつながります。ナイトガードは歯科医院で作成してもらえます。歯ぎしりをしている可能性がある場合、一度担当の歯科医師に相談しましょう。
歯ぎしりはストレスや疲労が主な原因ですので、顔周りの筋肉をほぐすと改善されることがあります。特に、歯ぎしりが原因で顎関節症を患っている場合、マッサージすれば症状が緩和されることがあるでしょう。
美容外科などで小顔治療として行われるボトックス注射は、歯科では歯ぎしりの緩和を目的として行われることがあります。噛む筋肉である咬筋にボトックス注射を打つことで、筋肉の働きを弱め歯ぎしりを軽減させます。
ナイトガードに違和感があって装着できない場合には、歯ぎしりそのものを軽減できるボトックス注射を検討するとよいでしょう。
セラミックにはさまざまな種類があるため、歯ぎしりをする方はセラミックの中でも強度のある素材を検討するとよいでしょう。見えにくい上の奥歯には、強度のある金属を使用するのも方法の一つです。
歯ぎしりの癖がある方は、セラミックだけでなく自分の歯を守るためにも定期的にメンテナンスを受けることが重要です。歯ぎしりの原因の1つは噛み合わせの悪化であるため、定期的に噛み合わせを確認してもらいましょう。
また、セラミックに不具合がないかだけでなく、虫歯や歯周病の有無なども確認できるため、ご自身の歯の健康を守ることにもつながります。何も症状がなくても、3~6ヵ月に1回はメンテナンスを受けてください。
歯ぎしりをしていると、脱離や破損などセラミックの寿命を縮めることがあります。また、セラミックの歯だけでなく、ご自身の歯が欠けたり割れたり、歯周病や顎関節症が悪化したりすることもあるのです。
歯ぎしりを意識的に改善することは難しいため、ナイトガードで負荷を軽減したり、定期メンテナンスを受けて調整してもらうとよいでしょう。強度のある素材の補綴物を選択するのも、方法の一つです。
セラミック治療を検討されている方は、兵庫県宝塚市にある歯医者「はら歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。