ブログ
Blog
Blog
こんにちは。兵庫県宝塚市にある歯医者「はら歯科クリニック」です。
こどもの出っ歯が気になる保護者の方は多いのではないでしょうか。前歯は目立つため、こどもが将来出っ歯で悩まないか心配になることもあるでしょう。
出っ歯は見た目の問題に加えて、転んだときに前歯を打つ可能性が高く、折れる・欠けるなどのトラブルが起こりやすいです。そのため、こどもの出っ歯が気になる場合は早めに対処したほうがよいでしょう。
今回は、こどもの出っ歯の矯正方法や費用、治療を開始するべき年齢を解説します。こどもが出っ歯になる原因や出っ歯にならないための方法もご紹介しますので、大切なお子さまの出っ歯にお悩みの方はぜひ参考にしてください。
出っ歯とは、上の歯が下の歯に比べて前に出過ぎている状態です。下顎が後方に位置していることで、相対的に上の歯が前に出ている場合もあります。正式には上顎前突とよばれ、不正咬合の一種です。
正常な歯並びの場合、上の歯は下の歯よりも2~3mm程度前に出ています。上の歯が下の歯よりも4mm以上前に出ている場合は、上顎前突と診断されることが多いです。
こどもが出っ歯になる原因は、以下のとおりです。
日常的に指しゃぶりをする癖がある場合、指で前歯を前方に押し続けることになります。前歯が押され続けると、出っ歯になりやすいです。
3歳頃までの癖は、歯並びに影響が少ない時期のため気にする必要はありませんが、3歳を過ぎても指しゃぶりを長時間する癖がある場合は注意しましょう。3歳以降は、歯や顎の発育が活発になるため、指しゃぶりの影響が出やすくなります。
ただし、指しゃぶりの癖は無理にやめさせる必要はありません。生後2〜4か月頃から始まりますが、発達の過程で現れる正常な行動だからです。
ある程度成長してからも、心を落ち着けるために行うこどもが非常に多いです。無理にやめさせても、保護者の目の届かないところでは行うなど状況が悪化する可能性があるでしょう。
指しゃぶりをしているときは、両手で遊ぶおもちゃを渡すなど、自然とやめられるように促してあげてください。
基本的に、3歳前後で指しゃぶりの頻度が減るこどもが多いです。眠いときだけ指しゃぶりをするなど、頻度が減っている場合は神経質になる必要はありません。
口呼吸をしていると、口周りの筋肉がゆるんで口が常に開いた状態になります。歯並びは、歯槽骨や歯茎だけでなく、口周りの筋肉によってバランスを保っています。
口呼吸をしていると口周りの筋肉が適切に発達しないため、出っ歯や歯並びが乱れる原因となるでしょう。
舌で前歯を押す癖があると、出っ歯になる可能性があります。こどもの骨や歯茎は柔らかく、歯が動きやすいため、前歯を押す癖があると前方に出やすいです。
指しゃぶりの代わりとして行うこともあるため注意しましょう。
頬杖の癖があると、顎の外側から歯に力が加わるため、下顎の成長を妨げることがあります。歯並びに悪影響を与えることもあるでしょう。
下顎の成長が妨げられると、上顎が前に出ているように見えるため出っ歯になりやすいといえます。
こどもの出っ歯を放置するリスクは、以下のとおりです。
出っ歯によって歯並びに段差が生まれると、歯が磨きにくく汚れが残りやすいです。出っ歯は口が閉じにくくなることも多く、口腔内が乾燥しやすいでしょう。
口腔内が乾燥すると細菌が増殖しやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
出っ歯は前歯が突出している状態なので、事故や転倒で顔に衝撃を受けたときに前歯が破折する可能性が高くなります。前歯を失うリスクも高まるので注意が必要です。
出っ歯は噛み合わせが悪いため、顎関節症になりやすい傾向にあります。前歯が噛み合わないので奥歯に負担がかかり、顎への負担も大きくなるのです。
顎関節症では口が開きにくくなり、噛むときに顎に痛みを感じることもあるでしょう。日常生活に支障をきたすこともあります。
出っ歯は活舌にも影響を与えます。上下の前歯にすき間があるため空気が抜けやすく、発音しづらい・活舌が悪くなるなどの問題が生じるのです。
出っ歯は口元のコンプレックスになることがあります。出っ歯が気になって思いっきり笑えない、人前で話すときに手で口元を隠すなど、消極的な言動になる可能性もあるでしょう。
特に思春期を迎える年齢になるとコンプレックスに感じやすく、精神的な悪影響も考えられます。
こどもの歯列矯正は、乳歯から永久歯に生え変わる時期があるため複雑です。
こどもの出っ歯の矯正は1期治療と2期治療にわけられます。それぞれ詳しく確認しましょう。
1期治療とは、乳歯が永久歯に生え変わる6~12歳前後の成長期に行う治療のことです。1期治療の目的は、顎の骨を広げて歯を並べるための十分なスペースを確保することです。
当院で出っ歯の治療を行う場合は、急速拡大装置、マイオブレースを使用します。小児矯正で用いられることが多い床矯正は採用していません。
床矯正は顎の骨の拡大は行えず、歯の傾斜で歯列を拡大するためです。顎の骨から拡大したほうが歯並びがきれいになりやすいので、急速拡大装置を採用しています。
それぞれの治療方法の特徴を確認しましょう。
上顎に固定して、顎の骨を広げるための装置です。取り外すことはできませんが、自己管理の必要がなく効果が高いことが特徴でしょう。
顎の骨の成長を適切にコントロールできるので、将来的に矯正治療を行う場合でも、複雑な歯の移動が必要なくなる可能性が高いです。抜歯を伴う治療のリスクも下げられます。
顎の骨を広げて前歯を後ろに下げるスペースを確保できれば、出っ歯を改善できるでしょう。
マウスピース型の矯正装置です。歯並びを直接整えるのではなく、歯並びを悪くする原因を改善することで歯並びを整えることを目指します。口呼吸や指しゃぶりなどの悪習癖の改善が期待できるので、歯並びが乱れるリスクを低減できるでしょう。
歯並びは、口周りの筋肉のバランスの影響を受けます。口呼吸や指しゃぶりが原因で、出っ歯になることがあるのです。
マイオブレースで口周りの筋肉のバランスを整えることができれば、出っ歯を改善できるでしょう。
2期治療は、永久歯が生え揃ってから行う治療です。1期治療では改善できなかった場合や、時期が過ぎて1期治療を行えなかった場合に2期治療を行います。永久歯が生え揃う年齢には個人差がありますが、おおよそ13歳前後から開始できます。
大人の歯列矯正と同じように、ワイヤー矯正やマウスピース矯正で治療するのが一般的です。それぞれの特徴を確認しましょう。
ブラケットを歯に接着し、ワイヤーを通して歯を移動させる治療です。歴史が長く幅広い症例に対応できることから、現在でも多くの方が受けています。
装置が目立つこと、痛みが強く出やすいこと、歯磨きがしにくいことなどがデメリットでしょう。複雑な歯の移動にも対応できる、大きな歯の移動も行えるなど、メリットも多い治療です。
また、マウスピース矯正と比較すると強い力をかけられるので、同じ症例を治療する場合は治療期間が短くなる傾向にあります。
出っ歯を後ろに下げるためのスペースが足りない場合は、抜歯を行って治療を進めます。ワイヤー矯正は複数本の抜歯を伴う症例にも対応できるので、効率的に出っ歯を改善できるでしょう。
透明なマウスピースを1日20時間以上装着して、歯を移動させる方法です。装着時間を守る必要がある、1〜2週間に一度ご自身で交換する必要があるなど、自己管理が重要な矯正といえます。
透明なマウスピースを使用するので目立たないことが大きなメリットでしょう。
1期治療で歯を並べるスペースを確保できており、歯の位置を調整するだけでよい場合は、マウスピース矯正で出っ歯を治せる可能性が高いです。歯の側面を少量削るIPRという処置が必要な場合もあるでしょう。
こどもの出っ歯矯正を始める年齢は、歯並びの状態によって異なります。小学校1年生になる6~7歳頃が目安でしょう。
6〜7歳頃に矯正を始めることで、顎の成長を活かして治療を進められます。顎の成長をコントロールできれば、2期治療が必要なくなる可能性もあります。
6歳未満の場合は、成長とともに歯並びが整うケースもあるので急ぐ必要はありません。歯科医院を定期的に受診して、確認してもらいながら様子を見てもよいでしょう。
こどもの出っ歯矯正の費用は1期治療と2期治療にわかれており、それぞれ費用が異なります。矯正治療は保険適用外のため、歯科医院によっても費用は変動します。
1期治療の費用の目安は200,000~500,000円です。こどもの顎の成長に合わせて装置を作り変える場合は、さらに費用がかかるでしょう。
装置ごとに費用を支払う場合や、最初に提示された費用以外は発生しない場合があります。支払い方法も歯科医院によって異なるので、治療開始前に確認するとよいでしょう。
2期治療にかかる費用の目安は800,000~1,000,000円です。1期治療から矯正を行っている場合は治療期間が短くなることが多いので、400,000~600,000円程度になることもあります。
こどもが出っ歯にならないための予防法は、以下のとおりです。
指しゃぶりや口呼吸、舌癖や頬杖をつく癖は、出っ歯や歯並びが悪くなる原因になります。歯列矯正を行ったとしても、癖が改善していなければもとの歯並びに戻るリスクがあるでしょう。
お子さまの場合は意識することが難しいので、保護者の方も協力する必要があります。
よく噛むことは、顎の成長と発達に非常によい影響を与えます。近年は、柔らかい食べ物が好まれる傾向にありますが、柔らかい物ばかり食べているとよく噛まずに飲み込む癖がつくでしょう。
ごぼうやレンコン、柿など、噛み応えのある食材を取り入れることを意識してください
「乳歯の虫歯は生え変わるから放置していても問題ない」と考える方もいます。
しかし、乳歯の虫歯を放置すると、永久歯にも悪影響を及ぼすのです。虫歯によって乳歯が早期に抜けると、ほかの歯が傾く原因となり出っ歯や乱れた歯並びになる可能性があります。
また、乳歯は虫歯の進行が早いです。虫歯がある場合は早めに治療しましょう。
乳歯が生え始めたら、定期的に歯科医院でフッ素塗布を行うなど、虫歯を予防することが大切です。
こどもの出っ歯は、指しゃぶりや口呼吸などの口周りの悪い癖が原因で起こる場合が多いです。歯並びに悪影響を及ぼす癖がある場合は、早めに対処することで出っ歯を防げる可能性があります。
こどもの出っ歯の治療は、6~7歳前後から開始できます。早期に開始することで、顎の成長を活かした治療を受けられるでしょう。
こどもの出っ歯が気になる方は、一度歯科医院を受診して相談するとよいでしょう。すぐに治療を開始するとは限りませんが、治療の選択肢が広がる可能性が高いです。
こどもの出っ歯でお悩みがある方は、兵庫県宝塚市にある歯医者「はら歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。