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こんにちは。兵庫県宝塚市にある歯医者「はら歯科クリニック」です。
「MFTトレーニングって何?」と疑問に感じる方も多いでしょう。一般的には、矯正治療を円滑に進めるための訓練法とされており、こどものうちに行うことで歯並びが整う可能性があります。
全身の健康にもよい影響が期待できるため、多くの歯科医院で採用されています。MFTは、エビデンスの多い信頼性が高いトレーニングです。
今回は、MFT(口腔筋機能療法)について解説します。トレーニングのやり方も詳しくご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
MFT(口腔筋機能療法)は、治療法というよりも訓練法の一種です。歯並びや噛み合わせに影響を与える口周りの筋肉が、正常に動くように訓練します。
基本的に、歯並びや噛み合わせは生活習慣や癖によって決まります。頬や舌、唇などの口周りの筋肉が異常な動きをしていると、歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼすでしょう。
異常な筋肉の動きを改善することで歯並びを整えることが、MFT(口腔筋機能療法)の目的です。
MFT(口腔筋機能療法)は、矯正治療に並行して行うケースも多いです。矯正治療で歯並びや噛み合わせを改善できても、口周りの筋肉に異常な動きがあると、再び歯並びが乱れる可能性があります。
矯正治療と並行してMFT(口腔筋機能療法)を行い、歯並びの後戻りを防ぐのです。MFTで行われるトレーニングにはさまざまな種類がありますが、診断に基づいて適切なトレーニング方法を選択することが重要です。
こどもの癖が原因で歯並びが悪くなるケースがあります。では、どのような癖で歯並びが悪くなるのでしょうか。
具体的に確認しましょう。
指しゃぶりは、多くのこどもが行う行動のひとつです。正常な発達の過程で現れる行為ですが、3歳以降も指しゃぶりが続く場合は注意しましょう。3歳頃から眠いときだけ行うなど頻度が減り、5歳頃には消失することが多いです。
指しゃぶりをすると上の前歯を裏から押し続けるので、開咬や上顎前突を引き起こしやすくなります。
開咬とは、歯を噛み合わせたときに上下の前歯の間にすき間があく状態です。上顎前突とは、いわゆる出っ歯とよばれる歯並びで、奥歯で噛んだときに上の前歯が前方に出ている状態です。
舌癖とは、舌で前歯を押し出す、食べ物を飲み込む際に舌を出すなどの癖のことをいいます。主に、前歯に圧力・負担をかける癖であることから、前歯の歯並びに悪影響を及ぼします。
具体的には、開咬や上顎前突になるリスクがあるのです。
口呼吸が習慣化すると、口が常に開いている状態になります。舌は、上顎に接しているのが正しい位置です。口呼吸を行う場合、舌は下顎に位置するでしょう。
口が開いている状態が長く続くと、口周りの筋肉が弱くなります。歯並びや噛み合わせは、舌や口周りの筋肉のバランスの影響を大きく受けます。
口呼吸をすると舌と頬の筋肉のバランスが崩れ、上顎が狭くなりやすいのです。開咬や上顎前突になる可能性が高まります。
歯ぎしりや食いしばりが習慣化すると、歯や顎に過度な負担がかかります。歯並びの乱れだけでなく、顎関節症を引き起こすリスクも高まるのです。
頬杖は何気なく行われる動作ですが、顎や歯に大きな力が加わります。頭の重さが一点に集中するので、頬杖が癖になると歯並びの悪化につながるでしょう。
歯並びの悪化だけでなく、顎の骨が変形する可能性もあるのです。
うつぶせ寝・横向き寝をすると、左右どちらかの顔が長い時間圧迫されます。毎日同じ向きで寝ていると、歯並びが悪くなる可能性があります。
うつぶせ寝をする場合は口呼吸になりやすいため、上顎前突のリスクが高まるでしょう。
MFT(口腔筋機能療法)のトレーニング法は、数多くあります。手当たり次第に行えばよいというわけではなく、お子さまに適したトレーニングを的確に選択することが非常に重要です。お子さまに適したトレーニングを継続的に行うことで、口周りの筋肉を正しく鍛えられます。
代表的なトレーニング法を確認しましょう。
スポットとは、安静時に舌の先をつけるべき位置のことです。上の前歯の裏側、歯の付け根から5〜10mm程度後ろの粘膜が膨らんだ部分を指します。
このトレーニング法は、舌の正しい位置を覚えることを目的に行います。
鏡とアイスの棒を用意し、鏡を見ながらアイスの棒をスポットに5秒当てましょう。5秒当てたら棒を離し、舌の先をスポットに5秒つけます。舌の先を丸めず、尖らせるように意識してください。
2つの動作を5~10回繰り返します。
舌先の力をつけるためのトレーニングです。
アイスの棒などのスティックを用意し、スティックを口の前で垂直に持ちます。舌を出し、舌の先でスティックを押しましょう。スティックも舌の方向に押し、双方が押し合う状況をつくります。
押し合いを3秒間行ったら、口を閉じて休憩しましょう。一連の動作を5~10回繰り返します。
下を持ち上げる筋肉を鍛えるトレーニングです。用意するものは特にありません。
舌の先をスポットにつけ、舌全体を上顎に吸いつけます。そのまま口を大きく開けて、舌で口蓋をはじくようにポンッと音を立てます。舌の先がスポットにあること、舌先だけでなく舌全体が上顎に吸いついていること、舌が歯列内に収まり奥歯を覆っていないことを意識してください。
一連の動作を10~15回繰り返しましょう。素早く行う必要はありません。
唇の周りの筋肉を鍛えるトレーニングです。ひもを通した大きめのボタンを用意してください。
唇と歯の間にボタンを挟み、口を閉じます。唇の力でボタンが口から出ないようにしながら、ひもを引っぱります。この動作を1セット30秒、3セット行いましょう。
当院では、より効果を高められる器具も用意しています。
MFT(口腔筋機能療法)を行うにあたり、親ができるサポートは何かあるのでしょうか。具体的に確認しましょう。
MFT(口腔筋機能療法)を学んでも、正しく実践できなければ意味がありません。そのため、親がお手本を見せてあげることが大事です。こどものやり方を見て、間違っていれば正しく指導してあげましょう。
正しいやり方をおぼえても、継続できなければ効果は得られません。こどもに積極的に声をかけ、日々トレーニングを行うよう促すことも重要です。
MFT(口腔筋機能療法)を継続できても、悪い癖が改善されなければ歯並びは悪化するでしょう。指しゃぶりや口呼吸、舌癖など、悪い癖が続いている場合は改善できるよう働きかけてください。
ただし、指しゃぶりは心理的な安定のために行うこどもが非常に多いです。「やめようね」と声をかけるだけでは、親に隠れて指しゃぶりをするようになるかもしれません。
どのような影響があるのか説明して理解してもらう、おもちゃを渡して気をそらすなど、自然とやめられるように働きかけましょう。
今回は、MFT(口腔筋機能療法)について解説しました。
こどものうちに口周りの筋肉の動きを整えなければ、歯並びが悪くなる可能性があります。歯並びが悪くなるとコンプレックスに感じる方が多いため、歯並びを悪化させる原因を取り除くことが重要です。
MFT(口腔筋機能療法)と聞くと難しそうと感じるかもしれませんが、こどもでも簡単にできるトレーニングが多いです。親が積極的に声をかけ、正しくトレーニングを行えるよう指導してあげましょう。
また、トレーニングは継続的に行わないと効果を得られません。親が日々のトレーニングを促してあげることが大切です。
こどもに適したトレーニングを選択することも非常に重要です。MFTを受ける際は、歯科医師と相談しながら治療に取り組みましょう。
MFT(口腔筋機能療法)を検討されている方は、兵庫県宝塚市にある歯医者「はら歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。