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こんにちは。兵庫県宝塚市にある歯医者「はら歯科クリニック」です。
こどもの歯並びが悪くなる原因の多くは、上顎の発育不足といわれています。顎顔面矯正は、顎の発育を促して歯並びや噛み合わせを整える矯正治療です。こどもの発育を活かしながら、顎の骨やお顔の骨格を正常な大きさ・形に整えます。
今回は、小児矯正の顎を広げる治療、顎顔面矯正について詳しく解説します。顎顔面矯正のメリット・デメリットや治療の流れ、痛みの有無、何歳から始められるかなどを解説するので、こどもの矯正治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
こどもの歯並びが悪くなる原因は、以下のとおりです。
舌の位置は、上顎に触れているのが正常です。口呼吸を行う場合、舌は上顎に触れず下顎に位置することになるため、舌や口周りの筋肉がうまく発達しません。
上顎の歯列が狭窄し、歯が並ぶスペースが足りないことで歯並びが悪くなるのです。
口腔習癖とは、口周りの癖のことです。
歯並びに影響を与える癖としては、指しゃぶりなどが挙げられます。唇を噛む癖や、前歯を舌で押す癖なども、歯に持続的に負担をかけるため、こどもの歯並びを悪くするでしょう。
虫歯や事故などが原因で、乳歯が早期に脱落することがあります。本来は乳歯が抜けたあとに永久歯が生えてくるので問題ありませんが、何らかの理由で早期に脱落すると、すぐに永久歯は生えてこないでしょう。
乳歯が抜けてあいたスペースに、隣接する歯が傾く・移動する場合があります。あとから生えてくる永久歯のスペースがなくなり、歯並びが悪くなるのです。
こどもの顎を広げるには、顎顔面矯正(がくがんめんきょうせい)という治療を行います。
顎顔面矯正とは、急速拡大装置を使用して上顎の骨の成長をコントロールし、発育を促す治療です。顎の骨を広げることで、永久歯がきれいに並ぶためのスペースを確保します。
歯の内側に装置を固定し、中央のネジを1日1回転させて少しずつ骨格を広げます。治療期間は症状によって異なりますが、一般的には1年半〜2年半程度です。
顎顔面矯正のメリット・デメリットをご紹介します。
顎顔面矯正には、歯並びが整う以外にも多くのメリットがあります。顎顔面矯正のメリットは、以下のとおりです。
顎顔面矯正で使用する装置は、歯の内側に装着します。表から見えることはほとんどありません。見た目を気にすることなく矯正治療を行えます。
歯並び・嚙み合わせがよくなることで、歯磨きがしやすくなるでしょう。虫歯や歯周病など、口内のトラブルを予防できます。
また、上顎の骨が正常に発達するため、鼻腔が広がります。鼻呼吸がしやすくなるため、感染症にかかるリスクが低くなるでしょう。
顎の発達が終わった思春期以降に矯正治療を行う場合、歯を並べるスペースを確保するために抜歯が必要になることが多いです。
顎顔面矯正を行うと顎を広げられるので、歯を並べるスペースを十分に確保できます。抜歯を避けられる可能性が高いでしょう。
骨格の異常が歯並びに影響している場合、大人になってから治療を開始すると顎の骨を切る手術が必要になるケースもあります。顎顔面矯正を行えば顎の骨が正常に発育するため、高い確率で手術を回避できるでしょう。
顎顔面矯正を行うことで骨格が整い、お顔のバランスがよくなります。骨格の異常を改善できることは、顎顔面矯正の大きなメリットです。
上顎を広げる治療を行った場合、喘息やアレルギー性鼻炎の予防・改善につながることがあります。上顎が小さいと鼻腔も狭くなるため、鼻がつまりやすいです。鼻の奥にある上咽頭に炎症が起こる、上咽頭炎を起こすリスクが高いでしょう。
上咽頭炎が慢性化すると、アレルギー性鼻炎の原因になるといわれています。アレルギー性鼻炎は喘息を誘発しますが、顎顔面矯正で顎を広げることで、これらの疾患を予防・改善できます。
上顎を広げることで鼻腔や気道も広がり、睡眠時無呼吸症候群も予防・改善できるでしょう。いびきが改善されれば、眠りが浅かったこどももよく眠るようになるかもしれません。
大人の矯正は治療期間が長くなることが多いため、治療にかかる費用もこどもの矯正と比べて高額になります。
顎顔面矯正を行うと、永久歯の歯並びが悪くなる確率が低減します。大人になってから矯正治療を行う場合、治療期間が短縮され治療費を抑えられるでしょう。大人になってからの矯正治療が必要なくなる場合もあります。
顎顔面矯正のデメリットは、以下のとおりです。
顎顔面矯正で使用する、急速拡大装置を装着したばかりの時期は、痛みや違和感、圧迫感などがあることが多いです。顎顔面矯正では、装置のネジを1日1回転させて顎の骨を広げますが、ネジを回転した直後も歯やお顔に痛み・圧迫感が生じるでしょう。
初めは不快に感じるこどもが多いですが次第に慣れます。
顎顔面矯正は、保険適用外なため治療費が高額です。自費診療になるため、歯科医院によって費用が異なります。
カウンセリングの際に、費用や支払い方法を確認するとよいでしょう。
顎顔面矯正の流れは、以下のとおりです。
歯科医師が診察を行い、口内や顎の状態を確認します。カウンセリングでは、歯並びや噛み合わせについて気になることや、矯正治療に対する希望などをヒアリングします。
不安に思うことがある場合は相談し、治療期間や費用についても確認しましょう。
口内や顎の状態を詳しく把握するために、お顔の写真撮影やレントゲン撮影、歯型の採取、顎関節・呼吸の検査などを行います。
検査結果をもとに治療計画を立てます。治療内容や、実際の治療期間、費用の目安などを説明されるでしょう。
治療計画に沿って、矯正装置を装着して治療を開始します。治療期間中は、経過の確認や装置の調整のために1~3か月に1回の頻度で通院するのが一般的です。
矯正治療が終了したあと何も装着せずに過ごすと、歯がもとの位置に戻る、後戻りを起こします。後戻りを防ぐために、専用の装置(リテーナー)を装着し、歯の周りの組織や顎の骨を安定させます。
保定期間も経過観察やメンテナンスが必要になるため、定期的に歯科医院へ通院するのが一般的です。
顎顔面矯正では、顎の骨に力をかけるため痛みが出やすいです。 初めて矯正装置を装着したときや、装置のネジを回して調整したときは、特に痛みが出るでしょう。数日で慣れて、痛みは和らぐことが多いです。
痛みが続く場合や、痛みが悪化する場合、何かトラブルが起きているかもしれません。歯科医院を受診して確認してもらいましょう。
顎顔面矯正は、顎の成長に合わせて治療を行います。上顎の成長は12歳までにほとんど終わるため、12歳までに治療を開始できるとよいでしょう。
顎顔面矯正は、基本的に5~12歳頃のこどもを対象としています。特に、5~7歳頃は骨格が発育する時期なので、この時期に治療を始めるとより効果的でしょう。
ただし、顎顔面矯正を始める適切な年齢は、口内や骨格の状態、こどもの成長度合いによって一人ひとり異なります。具体的な開始時期は、カウンセリングの際に歯科医師と相談しましょう。
顎顔面矯正は、顎の骨の正常な発育を促して歯並びや噛み合わせを整える治療です。顎の発育途中にあるこどもの時期に矯正を行うことで、歯並びだけでなく骨格を整えることができます。
顎顔面矯正を行うと、虫歯や歯周病の予防や口呼吸の改善、矯正治療の際の抜歯を避けられるなど、さまざまなメリットがあります。
顎顔面矯正を検討されている方は、兵庫県宝塚市にある歯医者「はら歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。